【ご質問】保証人と連帯保証人って何か違いがあるんですか?
Q.先日、知人から「借金の保証人になってくれないか」という頼みごとをされてしまったんです。その知人には以前お世話になっているので何とか力になりたいと思っているのですが……。ぼく自身、40代半ばに差し掛かってようやく住宅ローンにも終わりが見えてきましたし、子供達の学費も少し軽くなってきていてホッとしたところでした。正直、また借金に首を突っ込むのは気が進みませんが、相手もこちらの借金が軽くなったことを知ってぼくに頼んできたんでしょう。
相手は「絶対にそちら様にご迷惑はおかけしません!」と言っています。それが本当であり、本当に名義を貸すだけで済むのなら協力したいとは思うんですが……。詳細な話を確認してみると、保証人については「連帯保証人」となっていたんです。話を聞く限りでは「保証人」としか聞いていなかったので、少し引っかかりました。些細な違いですが、保証人と連帯保証人というのは何か違いがあるのでしょうか?
A.そうだね、保証人と連帯保証人では同じ保証人でも大違いなんだよ。それに気づいてよかったね。気づかずに、もしくは大丈夫だろうと詳しく調べずに了承していたら後で苦労したかもしれないよ?
この両者はどっちも保証人であるのはその通りなんだよ。つまり債務がちゃんと果たされなかったとき、融資者にきちんとお金を返すべく債務者に代わって債務を果たす役割を担っているんだ。そこにだけ注目していると、この両者の違いを見落としてしまいかねない。
この両者、責任の度合いが大きく違うんだ。実はね、保証人よりも連帯保証人の方がより債務を保証する責任が重い。体感的には、保証人としての役割を求められる機会が多いと思っておけばいいよ。つまりはね、保証人よりは連帯保証人の方が、何かあったときの保証人の負担は重かろうと予想されるんだよ。
具体的にこの両者がどう違うのか、簡単に説明しておこうか。先に保証人について説明するよ。これは保証人のごく一般的なイメージに近いと思っておいていいよ。債務者が債務をきちんと果たせないという見込みや状況が大きくなってくると出番が回ってくるのさ。本当に「保証人」という感じだよ。「保証」なんだから、保証をしなきゃいけないようなひどい状況を債務者が作ってしまわない限り、声がかかることはないって感じかな。債務者がきちんとしてくれていれば、せめて何とか債務に応じようと奮闘していてくれるなら、保証人にすぐ声がかかることはあまりないと思う。
これが「連帯保証人」となると、話はちょっと変わるんだ。保証人は保証人でも「連帯」という言葉が頭についているだろう?これが地味に重要なんだよ。連帯、つまりは「債務者と連帯で債務を負う」というようなイメージに近いニュアンスがあるんだ。保証人は債務者が債務を果たせなかったときの保険、くらいに考えていると、連帯保証人の責任範囲の広さに驚くことになると思うよ。
なんせ連帯で債務を負っているようなものなんだからね。万が一のときだけ出番が回ってくる保険としての保証人というより、もう債務者と連名で借金を組んだのと等しい扱いだと思っていた方がいいと思う。債務者の返済が一日でも遅れたら、そのときはただちに連帯保証人の方に催促が行くこともよくある。だって連名で借金組んでるのと一緒なんだからね。こっちはいざというときの保険というより、一種の運命共同体みたいな感じだね。
名前の違いは些細だけど、実体の違いはこんなに違うんだ。もし借金を背負うのがゴメンだと思うなら、連帯保証人はよしたがいい。名前こそ保証人でも、それは自分一人で借金組んでるのとそんなに変わらないからね。